後味の悪い映画でした。。。
先日は、ジャッキー・チェン主演の映画「新宿インシデント」の試写会に行ってきました。事前に立派なパンフをいただいていたのに、何も読まずに行ってしまった私。ジャッキー特有の痛快アクション映画だと思っていたら、これが全然違ったのです。
中国語のところは字幕が入るけど、ほぼ日本語だったのにまずビックリ。そういえばタイトルが「新宿」だもんね。新宿が舞台なら日本語で当然か~。加藤雅也や竹中直人、故・峰岸徹など日本のキャストは演技派揃いなので、迫力も見応えもありました。
日本に留学したまま戻らない恋人を探しに日本に密入国したジャッキー扮する中国人の鉄頭とその仲間達が、自分達の居場所を追い求めていくうちに新宿裏社会の抗争に巻き込まれていくというお話です。彼らは密入国なので当然きちんとした仕事にもありつけないし、大っぴらに生きていく事も今更故郷に戻る事もできません。それでも同郷の仲間達と肩を寄せ合いながら最初はつつしまやかに生きていたのですが、次第に悪事に手を染めてゆくようになります。とある事件がキッカケで日本のヤクザとも手を結び、それなりの地位を得て歌舞伎町でのし上がっていくのですが。。。
一言で言えばヤクザ映画?と言っても義理人情に厚い日本映画っぽいヤクザ話(←あまりよく知らないけど)ではありません。ヤクザ同士の抗争に外国人犯罪組織が絡み、裏切り、欲望、絶望に溢れたドロドロのお話でした。後で気付いたんだけど、これってR-15指定だったんだね。。。。確かに痛い、グロい、衝撃シーンが満載。最後の方なんて流血していない人なんてほとんどいなかったし。さすがの私も見ていて辛かったな。うっかり思い出すと夜うなされそうな感じ?
個人的には鉄頭の弟分の阿傑。気が小さく犯罪に不向きな彼は早々に悪事から足を洗い、まじめな人生に向かっての一歩を踏みしめ始めていたのに。残酷な運命に次々翻弄されヤケになり、望まずとも闇に落ちていくしかなかった彼の変貌ぶりは見ていて哀しかったです。
しかも映画の終わり方がちょっと。。。。詳しくは書けないけど、とても後味の悪い映画でした。家に帰ってからも少し悶々としたもの。
そういえば、そのちょっと前にやはり試写会で見たクリント・イーストウッド主演の「グラン・トリノ」という映画。妻に先立たれ、子供や孫達からは鬱陶しがられている偏屈な老人ウォルトが、隣に引っ越してきたモン族の一家とふとした事から交流を交えるようになり、弱虫でおとなしい少年タオとの間には友情も芽生えていくというお話でした。
堅苦しい映画かと思いきや、前半は場内の笑い声が絶えませんでした。年も考え方も国籍も風習も違う老人と少年の間のズレは見ていて可笑しくてほほえましくて。そんな中、次第にお互い心を開いていく様子は感動すら覚えました。
しかしある事件ががきっかけで、お話の雰囲気も場内の観客の様子も一変してしまいます。緊迫感が溢れ、そのまま映画は衝撃のラストへ。。。
ラストは私が予想していたのとはちょっと違いました。これが私的には納得がいかなくて。。。アメリカなら通用するかもしれないけど、日本の風習や法律の中では当てはまらないと思うので、素直に受け入れられないのかな。それに私は「目には目を」タイプの人間なので、もっと過激でスッパリ片をつけた終わり方にして欲しかったな。映画的には穏やかに、感動的に、美しく終わったんだろうけど、ちょっと現実味が無いように感じてしまいました。
立て続けにスッキリしない終わり方の映画を見てしまいましたが、「新宿インシデント」と「グラン・トリノ」。この二つの中ではグラン・トリノの方がオススメかな?こちらの方が、感動はできるので。。。。
« ドッキリかと思った! | トップページ | コールド・ストーン・クリーマリーの期間限定フレーバー »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- うみざるっ!(2010.07.27)
- 小泉今日子の老け具合にビックリ。。。踊る3(2010.07.18)
- 駅伝映画「風が強く吹いている」(2009.10.22)
- 「ラスト・ブラッド」と「チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ」を見てきました(2009.05.29)
- 後味の悪い映画でした。。。(2009.04.24)
この記事へのコメントは終了しました。
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 後味の悪い映画でした。。。:
» 新宿インシデント(2009年、香港) [泉獺のどうでも映画批評]
この映画は、試写会で観ました。試写会では普通、女性の割合が多いのですが、この映 [続きを読む]
コメント